12.暖房

八千穂では冬は-5~-10度位であるが、時に-20度近くにもなることがある。

1)燃料は石油が最も安い、次がLPGガス(山は運搬が大変なので意外に高価)、電気、薪の順である。
・石油はポリタンクで自分で購入運搬すると半値近くになる。八千穂の街で、98年には18リットル500円前後(2005年後半には800~1,000円、2007年には1,400円となった)であった。業者に配送して貰うともっと高くなる。

2)窓類は全て(北も南も)二重にする(必要なところは、間にブラインド2センチ厚【東急ハンズなどで購入可】が入るようにすると快適。またブラインドの長さは注文で調整可能)。ブラインドを部屋の最も内側に付けると見場も悪いし、ひっかかるし埃がたまる。
・サッシには二重サッシ、二重窓、三重サッシ、間にガス充填、外国製もある。
・一重だと窓が内部の蒸気で凍結し、朝しばらく開かなくなる。ガラスと障子で二重にしても何とか大丈夫。但し障子は開けたとき景色が半分になるので、予め注意。

3)北側に窓を着けると二重窓でも暖房効果が下がるので不必要に着けないこと。

4)断熱材は建物の6面(壁、床、天井)に必ず付けること。天井には夏の暑さ防止のため是非必要。屋根板の裏に貼るのが効果が大きいと考えられる。

5)ストーブ(外国製薪ストーブに良いものがある)は薪ストーブだけでなく、石油ストーブも急暖房のため必要(最近は薪ストーブがよくなったが、帰りの消火の手間などから、短期使用なら石油ストーブが便利)。
・強力ストーブでないと余り役に立たない。17坪の我が家の例;9000kcal、大きさ90×60×30cm一台で十分である。

6)石油ストーブは、汲み置きタンク式でなく、パイプによる連続給油方式にすること。寒い中で灯油が切れて外に汲みに行くのは辛いものである。
・石油ストーブの給油を外部からパイプを通じて供給する場合、石油タンクをストーブより1メートル以上高いところに設置する必要がある。その高低差が石油供給の圧力になるからである。余り差を取らないと、次に使うとき燃料が供給されず、何時になっても暖まらないことがある。
・油送パイプに空気が入ると、ストーブが点火しないことがある。故障ではないので、安易に修理屋を呼んで分解しないこと。分解は故障のもと。その場合、ストーブの裏の燃料供給口を外し、パイプから石油を人が口で吸ってそこまで石油を導く作業が必要になる。勢いよく吸って少し待つようにする。上手くやらないと石油をに吸い込んでしまうので注意が必要。また石油がこぼれないように受け皿を予め用意しておくこと。石油はこぼすと揮発性が悪いので何時までも悪臭が残る。

7)また通常、外の石油タンクの元栓を締めて帰るが、ストーブを消してから元栓を閉めること。元栓を締めてからストーブを消すと、パイプ内の石油が使われ、空洞が出来て次に使うとき火がつかないことがある。
・同様に、元栓を開けてからストーブを点火すること。元栓を開けずに点火するとパイプ内の石油が使われ、内部に空洞が出来、途中で火が消えることがある。

8)石油ストーブは、タイマー付きとし、朝起床までに暖めるのが好ましい。
・石油ストーブは炭酸ガス中毒を避けるため、FFとすること。
・強力な石油ストーブはファンが付いているため、また燃焼ポンプが働くため、案外うるさいので寝室には向かない。
・寝室の暖房は夜朝の温度差が大きくなるので余り暖めない方がよい。
・寝室には石油ストーブよりパネルヒーターが静かでよい。自動温度調節機構が必要である。またタイマーで入り/切りが出来る方がよい(出来れば温度調整のためのスイッチがカタカタ鳴らないものがよい)。
・電気カーペットを敷いてその上に布団を敷くと快適。電気毛布より良いように思う。その場合電気は最も弱い目盛りで十分である。寝室の暖房はこれが最も効果があるように思う。

9)吹き抜け構造の建物は天井設置のプロペラ式扇風機などによる攪拌で温度調整が必要。実際には吹き抜け構造の暖房は上手く行かないと思った方がよい。みんな困っている。
・ロフトの暖房は暑くなり易いので慎重に構造設計を依頼すること。カーテン一枚の設置でも温度調節できる。

10)暖房は小さな家なら全室一台で暖房すると効率がよい。
・我が家の場合-5度Cの時、到着してから20分で暖まる。しかし、-10度の時は、一時間以上掛かる。そのようなときには暖房器具は二台有った方がよい。我が家では電気カーペットを併用する。
・薪ストーブはムードとして是非欲しい。我が家では床面積を食うこと、経済性、維持管理の面倒さから付けなかった。薪の確保、帰京の際の消火、煙突掃除の面倒がある。
・ストーブには熱い中は絶対水をかけてはいけない。鋳物のストーブは水をかければ必ず割れる。

11)風呂場のタイルは冬は耐えられないほど冷たい。
・簀の子は汚れやすく掃除が面倒。
・プラスチックタイルの床でも耐えられないくらい冷たくなるが、湯を一度流せば可成り緩和される。最初だけ風呂掃除用ビニールスリッパを履く手もある。プラスティックタイルの場合、一度湯を流せば、何とか歩ける。一寸野暮ったいがこの方法が最も実用的である。
・掃除まで考慮した対策は、床暖房と考えがちだが、タイルなどの下に設置するため効きが遅いのが欠点である。結局空調機の設置が最も使いやすい。
・昼間、部屋と一緒に風呂場の入り口も開けて暖房しておく手もある。

12)居間の床にはストーブだけでなく電気カーペットを敷き、上にムートンのカーペットを敷くと快適。最近では床暖が常識である。勿論床暖だけでは不十分で、ストーブは必須である。

13)石油タンクは残量確認とサービスの受け易さから平地または道路に近いところに設置すること。
・タンクの容量は使い方で変わるが、我が家では年35回程度来るが、一冬80~100リットルで十分である。南向きのため、一冬約50日で、80リットル4000円程度(2007年では値上がりして1万円程度)である。最近では行く回数が減り、滞在日数が増えたため使用量が20リットルほど増えた。昼間は10時以降殆ど太陽光で十分である。勿論場所による。
・石油は何年も使わないと、旨く燃えなくなることがある(腐ると言う。一年ぐらいは大丈夫)。毎年使う量だけ入れると良い。問題があるときはタンクから簡単に抜ける。

14)堀り炬燵も落ち着いて非常によい。床下の構造の始末がやや面倒。高さ70センチのテーブルのある部屋と比べると、座卓や掘り炬燵は、高さが低いので部屋が非常に広く感じる。但し炬燵のヒーターの切り忘れに十分注意が必要。田舎の火災は、掘り炬燵の電気の切り忘れが最も多いという。
最近では田舎でも殆ど床暖になった。

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