「山小屋にカクテルは似合わないさ」、何と言っても「山小屋には猿酒だよ」と言われれば、「そりゃそうだよな」と納得せざるを得ない。しかし、山に入ったからといって、猿酒に巡り会うチャンスは滅多に無い。

 猿と言えば、東京でも五日市から奥多摩湖へ抜ける風張峠辺りにはよく野猿が現れる。人が餌をやるためか、車の通る道端に出てきて待っていることがある。

 何年か前、北アルプスの常念岳に登ったとき、麓の山道で猿の一群に出会った。今、通り過ぎたばかりの森で「がさがさ」大きな音がする。振り返ると、やや大ぶりな猿の一団が、二三メートルの高さの枝を渡り歩いている。しばらくすると、何処とも無く去っていった。

 また、ある秋の夕方、白骨温泉の森の奥で、黒い大きな動物が枝音を立てて落葉松の大木から降りてくるのが見えた。一瞬「熊かな!」と思ったが、直ぐ見えなくなった。何となく危険を感じたので、温泉街に戻って土地の人に知らせると、「近くに大きな猿が一匹住んでいて、時々出て来るんですよ」と言った。

 このように、猿には時々お目に掛かるが、猿酒を味わうチャンスに恵まれたことはない。尤も猿だけが偶然酒を造るわけではなく、窪んだ木の股に山梨などが熟れて落ち、自然に出来ることもあろうし、猿以外の動物が蓄えておいたものが醗酵して出来ることもあるだろう。だから我々にも当然猿酒ならぬ山のリキュールが造れるはずである。

 時々、これまでの経験を元に新しい混合比を試みてみるが、なかなか旨いものは作れない。長い歴史の中で、人の口に合う組み合わせは、殆ど試みられているようである。それでも毎年新しいレシピが出るところを見ると、奥の深さを感じる。
  此処八千穂で独自のリキュールを造れば、それを使った新しいカクテルが出来るかも知れないので楽しみにしている。

 私は、山小屋の囲炉裏の周りで作ることもある。火の傍で呑む冷たい酒は何とも旨い。カクテルは外気で暖まる前に二三口で呑むものだが、強いこともあって、ゆっくり呑む人も多い。夕暮れに森を見ながらチビリチビリと飲むのもまた一興である。女性は悪酔いしないように一杯程度にしておきたい。種類を楽しみたければ、一口程度を注いで貰って味わうと良い。
 マルガリータのように、グラスの縁に塩をまぶす、所謂スノースタイルは、塩をなめなめ、ゆっくり呑むのが良い。日本の升酒に似ていて面白い。

 佐久平にも、東京と同じように、酒の安売りスーパーが何軒もあり、手頃な値段でベースの蒸留酒やリキュールが何でも揃う。しかし、家内がよく飲むノンアルコールビールは売っていないので東京から持ってくる。

 ノンアルコールビールは、アルコール度が0.9%以下なので、零下10度以下になる冬は、室内でも凍って膨らみ、時に吹き出してしまうことがある。だから、寒い佐久平では、貯蔵が面倒なので売らないのかも知れない。そんな心配があるときは、少量なら冷蔵庫に入れておくと良い。

 私は、山小屋の囲炉裏の周りで作ることもある。火の傍で呑む冷たい酒は何とも旨い。カクテルは外気で暖まる前に二三口で呑むものだが、強いこともあって、ゆっくり呑む人も多い。夕暮れに森を見ながらチビリチビリと飲むのもまた一興である。女性は悪酔いしないように一杯程度にしておきたい。種類を楽しみたければ、一口程度を注いで貰って味わうと良い。
 マルガリータのように、グラスの縁に塩をまぶす、所謂スノースタイルは、塩をなめなめ、ゆっくり呑むのが良い。日本の升酒に似ていて面白い。

 佐久平にも、東京と同じように、酒の安売りスーパーが何軒もあり、手頃な値段でベースの蒸留酒やリキュールが何でも揃う。しかし、家内がよく飲むノンアルコールビールは売っていないので東京から持ってくる。

 ノンアルコールビールは、アルコール度が0.9%以下なので、零下10度以下になる冬は、室内でも凍って膨らみ、時に吹き出してしまうことがある。だから、寒い佐久平では、貯蔵が面倒なので売らないのかも知れない。そんな心配があるときは、少量なら冷蔵庫に入れておくと良い。