計画
  これまで山小屋の床下は、一部土留めはしてあったが、入れた砂利が自然に流れて出来た傾斜地で、このままでは使えないし、汚らしかった。タッパが高いので、上手く土留めをすれば、囲炉裏場だけでなく工作場にもなる。そこで床下全体を階段状に土留めをする事にした。

 既に中央より東の方の一部に2メートル四方のバーベキューの平地が作られている。その時作った下側の80センチの高さの土留めを左右に延長し、その 側に新しく一連の80センチの土留めを作ることにした。

準備と段取り
 いつものように、材料や道具の準備をした。土留めをするには、下に敷く砂利や隙間を埋める土が必要である。また、重い枕木を一人で運ぶために木製レールを用意する必要がある。

 先ず、建物の東側に枕木を三四本使って土置き場を作った。そこに二トンダンプで一杯分の土を運び入れて貰った。砂利は、焚き火場の製作に使った砂利が0.5トンほど残っていたので、それを使うことにした。次に、建物から4メートルほど離れた枕木置き場から2メートルの木製レールを二対繋げて敷く。レールの始点と中継点に Π型の櫓を作ってそこで大型のクランプで固定する。床下の入り口には既にレールを取り付ける台が出来ているのでそこもクランプで止める。  

 櫓の構造は、枕木から作った二本の杭を30センチほど離して適当な高さになるように打ち込み、それらの頭に横棒を乗せ、10センチのコーススレッド(電動インパクトドライバー用の木ねじ)で留めて Π型に組むだけである。レールの構造は7センチ幅、2メートルのパイン材二本を少し間を開けて並行に並べ、両端の裏側に30センチほどのパイン材を梯子状にネジで止めたものである。その際ネジはレール一本につき一本で止める。こうしておけば、二本のパイン材が平行にずれて、継ぎ目の方向を自由に変えられる。

  レールの接続は、櫓の頭と両側のレールの横棒を纏めてクランプで締めればよい。レールの端の表面は面取りしておき、枕木を引きずるとき引っ掛からないようにしておく。床下内部の中継点は杭が打てないので、ブロックを積んで作った。このレールを使うと、一人で一時間に6本程度の枕木を運び込める。滑らせて運ぶのでそれほど力は要らない。

 枕木の取り扱いには荷鍵を使うことは以前と同様である。危険なので慌てず慎重にやる必要がある。こうやって取りあえず10本を運び込んだ。沢山運び込むと取り回しがやり難くなるので、工事が進むに従って追加する。これで前準備が出来た。

 実際の工事
  材料と段取りが出来たので、いよいよ床下内部の土留め工事に取りかかる。計画した床下の段々状の土留めは、既に述べたバーベキュー用の平地を作るときに使った方法をそのまま使った。
 下段(高さ80cm)の土留めは、バーベキュー場の土留めを左右に延長して幅12メートルに渡って作った。次に上段(同じく80cm)は下段の面の奥60センチの所から積む。左端に風呂のコンクリートが出張っているため、長さ約10メートルでよい。
 但し、左端には水道管や下水管が出ているので、その部分の枕木に切り込みを入れ、上手く挟み込む。また同じく左端には縦に下水管が通っていて杭が打てない部分があるので土留めの位置を一部手前にずらしたりした。

  なお、80cmの土留めの作り方は、何度も述べているが、この章から読む人のために再度述べておく。

 先ず二本の枕木を積み、その前面に1.7m離して(両端から20cmの所)二本の杭を打つ。その裏側に枕木の上面に合わせて土を詰めて固め、更に枕木の裏側に接するようにして1.5m離して二本の杭を打つ。その杭の向こう側に再び枕木を二本積み、裏側に土を詰めて高さ80cmの土留めが完成である。
 その際杭を山側に10度程寝かして打つと仕上がりに安定感が出る。また強度確保のため前後の杭が並ばないように打つ。
 杭の打ち方その他には色々ノウハウがあるので、実際にやる方は第10章(バーベキューの穴蔵作り)を参考にして欲しい。

 上段の土留めの上に出来る幅50センチほどの面は、奥の物入れを使うときの道にする。

 これで、床下全体が枕木で土留めされたことになる。以前にあった腐りかけた自然木の土留めに比べれば随分すっきりした。

 この工事に要した枕木は、上段の土留めに20本、下段の土留めに24本で、合計44本、杭も44本であった。杭は枕木から切り出した長さ140センチ、太さ7×5センチのものである。
 また、床下の土留め全体に対して、土を4トン、砂利を4トンほど使った。

階段
 その後、床下の平坦部から上の通路へ登るための梯子状の階段を両側に作った。強度を取るため、階段側面の板に溝を掘り、踏み板をはめ込んで側面から9cmのコーススレッドで留めた。階段に使った板は凡そ巾20センチ、厚み3センチのパイン材である。雨が掛かるところではないが、腐らないように組み立てる前に塗料を塗った。

流し
 また、床下では水や湯を使うことが多いので、元々あった水抜きの水道管を延長して、蛇口を付け、下にエスロンの流しを置いた。流しの下には、物入れ戸棚を拵えて周りに物が散らからないようにした。下水は、土間を深く掘り、4センチ径の塩ビのパイプを基礎の布コンの下を通して外に埋けた枡に導いた。枡の中には石を詰めて水の浸透を良くするようにした。
塩ビのパイプを通すトンネルは、足場を組むときに使う6センチ径の鉄パイプを基礎の両側から叩き込んでくり貫いた。

完成
 こうやって床下の工事はバーベキューをやる場所を作り始めてから四年目にして何とか完成した。結構広い場所が出来た。2メートル幅で6.5間の長さの平地とその北側の傾斜地に60センチ幅の平らな部分が二本出来た。床下には、北端の一番上に一間巾の戸棚、一番下の平地には囲炉裏、丸鋸盤、バンドソー盤、工作台、流し等が設置された。雑然としてはいるが、山小屋でやりたいことが全て出来る道具が整った。
土留め工事が終わってみると、新品とは言え、所詮枕木である。余り綺麗な仕上がりではない。又、平坦部の土や砂利が乾いて埃っぽい。更に、床下で、機械鋸を使うと、大量の大鋸屑が出て汚れる。掃除をし易くするため、近い中に、オーストラリア・レンガを土間全体に敷くつもりである。