9.凍結対策

凍結対策は、最もやっかいであり、相当注意していても一度や二度は必ず破損を経験する。

一般的対策
1)建設時の注意
・建設時に水道工事に関する配管部分を全て写真に撮っておいて貰うと、後で(内張などにより隠れていても)対策が容易である。
・水が関係する全ての器具は水抜きが出来る寒冷地仕様のものを使ってもらうこと。また水抜きなどの注意書きを丁寧に読むこと。説明書を纏めて一カ所に保存し、必要に応じて取り出せるようにしておくことが肝要である。
・上水(冷、暖二系統)の最終水抜き栓は基本的に一つの場所(最下点)で簡単に操作出来るようにしておくこと。また抜いた水を処理し易いように流しなどで受けて排水できるようにしておくと便利である。バケツなどで受けると、可成り大きなバケツ二杯分ぐらい出る。
・水道屋は綺麗に仕上げるため、管の勾配をあまり取らない傾向が有るが、予め勾配を若干大きめに取るように頼んでおくとよい。
・室内の水回りの床は相当注意しても溢れることがあるので木でなく、ビニール張りとする方がよい(木と殆ど区別着かない木目調有り)。
・故障対策上、配管は全て外配管とするが、一部はどうしても内部になる。万が一内部で破損しても大丈夫なように配管して貰う(基礎のコンクリートを貫通させる場合には水道管より十分大きな穴を開けておく。ただし穴の隙間から虫が入らぬよう対策しておくこと)。
・洗車、植物の水やりのため、外部に水道蛇口を出しておくと便利、但し凍結対策に十分注意。その部分の元栓を分けておき、冬季は元栓を開栓せず、蛇口を開けておくと良い。
・寒冷地用でない温度調節器の付いたカランは必ず凍結、破損するので設置しないこと。無くても給湯器の温度制御盤が蛇口付近に着けられるので不便はない。何となく付けた方がよいと思う人が多いが、必ず破損する。値段も一万円以上するし、取り替え工事に更に費用が発生する。

2)水抜きの基本操作
・水道の元栓は幾つかの系統に分かれて複数個有る場合が多い。いずれも水抜きに先立って止めること。
・水抜きの基本操作は、上水の元栓を先ず締めてから全ての蛇口を開け(空気が入り抜きやすくなる)、最後に最下点の水抜き栓を開け、一気に抜く。
・水栓が混合栓の場合は、栓の位置を水なら水に定め、その後、最下点の水抜き栓及び湯抜き栓を開ける。その後、各蛇口の混合栓を反対側に倒し、1分、湯側にして1分待ち、それを二回ほど繰り返し、水が出切るのを待つ。
・その後、後述の給湯器の水抜き8)をする。

3)下水管の凍結
・人が居るときでも寒い日は、うっかりして上水道の止め方が甘く下水管にちょろちょろ水が流れると水が縁に凍って塊り、だんだん大きくなって下水管が塞がり、結果的に下水が床上まで溢れる。この点は意外に気が付かない。
・凍って詰まる可能性のある下水管(ビニール製)には上水管同様ヒーターを巻いておくと良い。但しビニール管は熱に弱いので予め薄い断熱テープを巻きその上にヒーターを密度が粗くなるように巻き付けておく等の注意が必要である。

4)水道管の錆と対策
・水抜きを毎回やると、水道の鉄管の錆が出やすいが、やむを得ない。錆は水道バルブのパッキングの間にはいると、水が十分止まらないことがある。その場合、一度勢い良く出すと取れることが多いが、ゴムパッキンの方にめり込んだ鉄粉は取れない。駄目な場合は元栓を止めて分解して取るしかない。

5)水道管ヒーター
・水道管に巻いてあるヒーターは留守でも気温が下がれば(+6度より下がると)入るので電気代が非常に高く付く(小さい家で2万円/月、寒冷期間は半年故12万円/年)ので、水を抜いてヒーターを切るのが最も経済的。そのためにも凍結防止ヒーター電源スイッチを不在時でも入れっぱなしにしておく冷蔵庫などの電源スイッチと分電盤の所で分けて貰っておく。

6)節電形水道管ヒーター
・節電ヒーター等の商品を売っている(一端子2千円位とやや高価)。これは通常水道管に巻いてあるヒーターのソケットを外しその間に挿入することによって無駄な電気を流さないで凍結を防止する器具である(既存のサーモスタットはそのまま残しておいて良い)。1/10節電と謳っているが、2002年から使い始め、3年ほど使ってみたが、我々の使い方の場合電気代は凡そ1/3になった。実際には、水は抜くが一年中ヒーターを入れっぱなしにしておいた場合の値である。
・水抜きをしても一年中電気を入れておく理由は、気温が-10度ぐらいに下がった夜に来て急に開栓すると水道管が余りに冷え込んでいるため、開栓と同時に一気に凍り、以後何日も水が出なくなるからである。そうならないためにはヒーターを入れて水道管が暖まるまで1時間ほど待たなければ開栓できないからである。
・滞在時と同じように、水を抜かず一年中ヒーターを入れておけば、電気は食うが水抜きの必要はないと考えられるが、滞在時には室内の暖房をしているので風呂場もトイレも零下にはならないが、不在時には室内も零下になり、通常室内側の蛇口は十分ヒーターが巻いてない所があるので危険であるからヒータを入れたままにして且つ水も抜いている(例えばキッチンの蛇口は上の方に伸び上がっているが、ヒーターは巻いていないので、蛇口に残っている水が凍結する可能性がある)。節電形ヒーターであるので費用はそれほどかからない。

7)その他の一般的注意
・土台のコンクリートの割れ目は、水が入る可能性のある場合には、確実にコーキング材で埋めること。さもないと凍って割れ目が広がる。
・湯沸かしポット等も電気を切った場合は中の水を捨てておかねば凍って破損する。
・コーヒーメーカーなども水が入っていない状態にしておく。
・室内の花瓶など基本的にヒーターの付いていない水の入った器具の水は全て空にしておくこと。
・色々な対策にもかかわらずヒーターの故障などで、万が一水道管が凍ったときは(管が破損していない場合)湯を掛けるだけでなくドライヤーは強力な武器である。それでも1時間以上暖めないと通水しないことが多い。
・車のトランクにうっかりガラス瓶などに水を入れておくと必ず凍結して割れるので注意すること。
・ノンアルコールビールは-5度以下になると凍って吹き出すことがあるので室内にそのまま置かずに冷蔵庫などに入れておく。

個別器具の対策
8)自動ガス給湯器;給湯器は、寒冷地用、LPG用等を忘れずに指定すること。
・通常ヒーターが入っており、装置の電源を入れてある限り-10度まで保証されている(水を抜けば何度Cでも大丈夫)が、不在時は時に-15度以下になることがあるので水抜きをすることにしている。滞在時は常に給湯器電源ボタンを押して働かせておく必要がある。
・給湯器の水抜きは、通常水と湯に関して二~五ヶ所のパッキング付きネジを外すことにより行う。取り外し回数が多いとパッキングが痛みやすいので必ず予備を用意しておくこと(取扱説明書を良く読むこと)。

9)屋内トイレ設備;寒冷地仕様の指定を忘れないこと。
・洗浄用貯水槽は水抜き栓が着いている。また抜いても構造上少し残るため、不凍液を必ず入れておくこと。水が残っても壊れないが、レバーなどが凍り付いて水を流せなくなる。なお不凍液は有毒である場合があるので注意を要する。
・便器内にも水が僅かに残る事があり、来たとき凍りついて使えなくなることがあるので、不凍液を入れておくこと。
・不凍液の濃さは、水1:不凍液1で-10度程度まで保つ。-20度まで下がるところは水1:不凍液2が必要。
・ウォシュレットが有る場合、元栓を締めてから便座に力を掛け(ウォッシャースイッチが入る)、手のひらなどで水を受け、水を全て出しきること。完全には抜けきれないので温水スイッチを低にし、便座を低で暖めてトイレ室を暖め、ウォッシュレットの器具が凍らないようにしておくこと。老婆心ながら節電のため冷蔵庫以外の電源を切ってしまう事があるが、ウォッシュレット系の電源も入れたままにしておくこと。
・ウォッシュレットを後付けした時には、上水管とウォッシュレットを自在の(蛇腹の)水道管で繋げてある場合がある。その管が元の管より垂れ下がらないようにしておかないと水が抜けきれず凍って割れる。

10)洗面台;寒冷地仕様を指定すること。
・水抜きの時は説明書をよく読み、冷暖混合栓を、暖、冷に切り替えて両者で水が十分抜けたことを確認すること。更に、蛇口の根本にある数個のネジを外し水を出し切ること。シャワーがある場合には、シャワーの根本の栓を空け、シャワーの頭を流しに置いて、内部の水を出し切ること。
・最後に流しの下にある配水管のU字管の下部に着いている蓋(寒冷地仕様)を外し、U字管の中の水を出しておくこと(不凍液を流し込んでおいても良い)。

11)風呂場;上がり湯、水、シャワー用のカラン等の水を説明書に従って抜く。
・風呂場流し口は臭気防止のため、同心円状のU字管になっていて水が貯まる構造になっている。この部分は原理的に水抜きが出来ないので、不凍液を入れておくこと。この部分は凍っても壊れないが、水の流れ口が塞がり寒い夜に来たとき風呂場の流しに水が溜まり風呂が使えなくなる。溶けるまでには何時間もかかる。
・風呂場の水栓の水抜きはシャワーがあるのでなお難しい。寒冷地用栓には必ず注意書きがあるのでそれに従って正しくやる事が大切である。水を抜き終わったら、再度ホースの根本から少し持ち上げてシャワーのホースに残っている水を全て出しきること。

12)キチン流し;寒冷地仕様の蛇口が付いていること。最近の蛇口は栓より上に伸び上がっているものが多い。この部分は栓より上にあるため常識的には自動的に抜けると考えられるが、実際には抜けずに蛇口が凍ってふくれたり、蛇口に貯まった水が水抜き後に栓の方に流れ込み器具を破損させることがある。伸び上がった蛇口の根本にスクリューの水抜きのあるものを使うこと(重要)。
・キチンの流し口は最近のものはゴミ取り網袋が着くようになっているので、直線配管で水が貯まらないように見えるが、その下には臭気止めのために同心円状のU字管が付いている。ここには不凍液を入れること。凍っても破損はしない場合もあるが、寒い夜に来たとき凍っていると一時間も水が流せない事になる。

13)洗濯機:洗濯機への水の供給栓も解放し完全に水抜きしておくこと。
・洗い水を下水に放出するプラスティックホースは流し口までの間に弛みがないように設置すること。弛みがあるとその部分に水が溜まり、帰宅時に凍って破損する。
・洗濯機の上水取り入れ口の接続点には錆取りのための小さな網があるが、此処も時々調べて錆やゴミを取り去ること。溜まりすぎると水の流れが悪くなったり吹き出したりする。

14)ガスコンロ:凍結とは関係ないが、器具に関係するので序でに触れておくが、
ガスコンロはプロパンガスを使う場合は、プロパンガス仕様であることと、高地で使うことを考慮した高地仕様のものを買う必要がある(さもないと火力が出ない)。

いずれにしても凍結対策は別荘の最大の注意事項でる。

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