8-3.風呂、水周り

。それを覚悟で上手く作ることが必要。設計士はその辺を十分心得ているので相談すると良い。私の知人で設計士をしている人が居る。彼は南の急傾斜地に家を建てたが、建物の東の端に出っ張った風呂を北に寄せて建て、その東と南に窓を着けて雄大な山が見えるようにしてある。また風呂の付け根に当たる部屋の東窓から風呂が見えないように、東窓の左端に目隠しを作ってある。こうするっことによって土の上に重い浴槽を置けるし、かつ南の景色が見える風呂となっている。

 風呂場はたっぷり取るなら一坪又はそれ以上必要。0.75坪だと風呂桶は長さ110cmまでしか設置できない。110cmでもそれほど不便ではないが、浴槽に入ったとき足がかなり曲がる。0.75坪でも120センチの桶を何とか設置できるが、風呂のふたの置き場がなくなるなどで使い難くなる可能性がある。
風呂の蓋は燃費に大きな影響を持つのでどうしても必要である。
 別荘だから、風呂場はできれば一坪は欲しい。足を延ばして入るなら、風呂の内法の長さは160センチ以上必要であるので、部屋の長さは一間(180cm)では足りない場合がある。背中の傾斜の取り方もよく考えること。何れにしても専門家とよく相談すること。
 湯舟の高さは床のタイルから40センチが目安(入り易さと湯舟への水の跳ねから決まる。温泉などでは5~10cmが多いが、これは景観の良さを狙って居ることと、広くて洗い場が離れているから出来るのである)である。タイル面(流しの面)から見た浴槽の深さは目的、形式(和風、洋風、折衷、その他)により異なる。
 風呂場は外からの人の目が無い場所が好ましいが、意外に難しい。窓を十分低くし、風呂桶に浸かったまま外が見えるのが最高である。

 タイルは滑らぬものを選ぶこと。
 風呂のタイルは冬はひどく冷たいものである。細い縞模様の有るプラスティックタイルなら可成り冷たさを緩和できるが、ゴミが溜まりやすいので縞の構造をよく調べて採用すると良い。簀の子を敷けば、冷たさは避けられるが、掃除の時床と簀の子の両方を洗うことになる。
 洗い場の床暖房ができればベストである。次善の策は風呂場と脱衣所兼用の空調機を付け、入る前に予め暖めておくとよい。

 風呂場が狭い場合、扉はアルミスライドが軽くてよい。ガラスは模様入り曇りガラスがスマート。一般に引き戸は、空気が漏れやすいと言うが、最近では改善されている。使い易さの方が重要である。勿論建物のデザイン上から決まる場合が多い。
 ドアは開け代が別に必要になるが、スペースがあればドアの方がモダン。二つ折ドアは開閉が一寸不自然で、がたがた音が出やすい。

 洗面所面積は広いに越したことはないが、最低限、脱衣も含め、0.75坪必要。その場合狭い方の幅(芯芯135センチを少し広げて設計して)を用いて72cm幅の洗面台と大きな全自動洗濯機(60cm)が入る。しかし洗面所、脱衣所は狭いとせっかくの別荘の趣が減るので出来れば一坪またはそれ以上欲しい。

 最近の全自動洗濯機本体の振動幅は0.5センチ以内であるから隣に置くものは1センチ離せば十分である。
 排水ホースは弛んで水がたまらぬよう(凍結の項参照)注意が必要。
 洗濯機給水口には水道管の錆が入らぬよう網が付けられているが、毎日使わぬ別荘では錆が結構貯まり(水抜きの影響で)、水が流れにくくなるため接続の弱い点から漏って、付近が水浸しになる事がある。何年かに一度錆を掃除をすること。

 また脱衣所やキチンなど水場の床は、浸水に備えてプラスティックにすると良い(最近の建物はそうしてある場合が多い)。
  風呂場には換気扇が必需品。風呂場も戸外に面したところは網戸付き二重窓とすることを忘れぬよう。さもないと湯気が凍って開かなくなることがある。なお換気扇から侵入する虫除けに必ず網を張ること。

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