8-2.基礎

 凍結深度を考え、十分深く敷設すること。さもないと霜で上がってくる。この点は非常に重要である。気温が-15度になる所なら凍結深度は平らなところで50~70cmであると言われる。一日だけ-15度になったからと言って直ぐ地下50cmまで凍結するわけではないが、-15度になる土地は必ず何日か続くと考えて凍結深度を考えている。

 基礎構造は鉄筋(10~15mm径を用い、20センチ角を組む)入り布コンで切れ目のない枠構造で組むのが強度上好ましい。湿気と強度の点からベタコンならベストである。山岳地では腐葉土が堆積しているし、充分深いところまで掘って基礎を回すことは少ないし、地突きも不十分な場合が多いので、基礎が割れてヒビが入り、建物が歪むことがある。布コンには二重鉄筋構造を採用するか、基礎の下の要所要所にコンクリートパイルを打ち込んでおけば万全である。
 傾斜が急な山岳地帯では取り付け道路を造ったとき山側を崩して谷川に土を落とすため、道の直ぐ下は落とした土で地面が軟らかくなっている。そのような場所に家を建てる場合は十分掘って基礎を固めるか、コンクリートパイルを打ち込む必要がある。またパイルだけでは水が床下に流れ込み湿気が多くなるので、裏の山側だけでも布コンで深めに基礎を作っておくと湿気対策上好ましい。それでも床下には、僅かに水分が滲んでくるものである。最近都会で流行のベタコンも良いが、傾斜地の床下を後で遊びやDIYの作業場などに利用しようとする場合は予め基礎の構造を考えておく必要がある。

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