3-2.標高

 山岳別荘の場合、標高は重要な要素である。避暑を目的とする場合は、より重要である。避暑と言っても、只ゆっくり涼しさの中で過ごすだけでなく、昼間は登山や設備工事など汗の出る仕事や遊びをしていて夜は涼しい所でくつろぐと言う避暑もある。避暑地で常時空調機を使用するのは興ざめである。従って通常は自然の冷気が得られるところが対象となる。
 多くの場合避暑を兼ねた別荘地は標高は600~1600メートル程度の所にある。蓼科のように有名な別荘地でも最近では1700メートルの所まで開発されている。欲を言えば涼しさと寒さ及び各種サービスのバランスから1000メートル前後が好ましい。
 勿論夏だけの別荘とオールシーズンの別荘とは地域の選択、建物や装備が異なる。また同じ標高でも涼しい地方とそうでない地方があるので上記の標高はあくまで一つの目安である。

 夏場だけの別荘は高地ほど涼しいが、余り高くなると通年営業の商店から遠くなりサービスの点(買い物、病院、動物病院、燃料購入、汲み取り、凍結対策)から若干不便になる。二重窓や水道の凍結対策は無くて良い。但し冬を越すために上下水道の水抜きができるようにしておかねばならない。冬季の水抜きは自分でやるのが普通だが、仕事の関係などで行けないときは、鍵を預けておけばその作業をやってくれる業者もいる。

 通年利用の別荘地では、余り高地になると冬場、積雪で道路が通れなくなり、近づけないことがある。しかし別荘地は通常雪かきをしてくれるので、よほどの大雪でもなければ、別荘までは行けるのが普通である。但し一晩に大雪が降った場合などには雪かきの順番待ち(主要道路から順に掻いていくので)があり、半日以上別荘に近づくことも、別荘から出ることも出来ないことがある(雪対策参照)。また道路から玄関までの雪は掻いてくれないのが普通である。自分で掻くか、業者に事前に依頼することになる。年を取ると自分で掻けないこともあるので、その様な場合何とか知り合いの業者を確保しておく必要がある。

 一般に標高が100メートル高くなる毎に気温は0.6度下がる。従って東京が35度の猛暑の時、28度を想定すれば、東京が10~60メートルであるから、標高1200メートルの土地を選べばよい。但し、冬の最低気温は-10度以下になることもあることを覚悟しておかなければならない。しかし北海道と同じように、暖房設備が完備しているので、家の中に居る限り、快適で全く問題ない。

 標高1200メートルの我が家の例で言えば、真夏の暑いときは、日中のみではあるが、時に30度を超えることもある(冷房対策参照)。しかし夕方から夜になれば20度前後又はそれ以下になるのは普通であるので寝苦しいなどと言うことは全くない。日当たりの良さにも寄るが、冬には朝晩は-3~-10度、昼は天気なら5度~10度、曇りだと-5~5度である。

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